キッチンの大掃除で一番の難関といえば換気扇ですよね。
ベタベタした油汚れを見ると、どうしても掃除を後回しにしてしまいがちです。
そんな換気扇の油汚れを重曹でのつけ置きですっきり落とす方法に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。
でも、実際にやってみると換気扇の油汚れが重曹で落ちないという経験をして、やり方が合っているのか不安になることもありますよね。
換気扇掃除は重曹とセスキのどっちを使うのが正解なのか、あるいは壁面の汚れには換気扇掃除用の重曹ペーストが有効なのかといった疑問も浮かびます。
また、換気扇掃除で重曹を使うと変色したりアルミ素材を傷めたりするリスクがないかも心配なポイントです。
効果を高めるための換気扇掃除での重曹とお湯の温度や、具体的に換気扇をつけ置きする重曹の時間はどれくらいがベストなのかも知っておきたいですよね。
最近では、換気扇掃除で重曹と片栗粉を混ぜて使う裏技や、定番の換気扇のフィルター掃除を重曹で行う手順、さらには仕上げに換気扇掃除で重曹とクエン酸を組み合わせる方法など、さまざまなテクニックがあります。
この記事では、これらの疑問を一つひとつ丁寧に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 重曹を使った基本的な換気扇掃除の手順とつけ置きのコツ
- アルミ製部品の変色リスクや重曹で落ちない場合の対処法
- 重曹とセスキ炭酸ソーダの使い分けや片栗粉を活用した裏技
- 掃除後の仕上げにクエン酸を使ってきれいに保つ方法
換気扇の油汚れは重曹ですっきり!基本の手順

- フィルター掃除は重曹で簡単にできる
- 重曹でつけ置きする手順
- 重曹とお湯を使う際の適温
- つけ置きする重曹の時間は1時間
- 重曹ペーストがおすすめ
- 重曹と片栗粉を使う裏技とは
フィルター掃除は重曹で簡単にできる
換気扇の中でも特に汚れが溜まりやすいフィルターですが、実は重曹を使うと驚くほど簡単にきれいにできます。
重曹は弱アルカリ性の性質を持っており、酸性の油汚れを中和して分解する力があるからです。
高価な専用洗剤を用意しなくても、お家にある重曹で十分に対応できるのが嬉しいですね。
まずは安全のために電源プラグを抜き、フィルターを取り外しましょう。
表面についたホコリを事前に払っておくのがポイントです。
いきなり水で濡らすとホコリが固まってしまい、掃除が大変になることがあるので注意してくださいね。
そのあと、フィルター全体に重曹を溶かしたスプレーをたっぷりと吹きかけます。
水100mlに対して重曹小さじ1杯程度を混ぜたものが使いやすいでしょう。
スプレーした後は、乾燥を防ぐためにラップで包んでしばらく置いておきます。
こうすることで重曹の成分が油汚れにじっくり浸透し、汚れが浮き上がってくるのです。
時間が経ったら、スポンジや使い古した歯ブラシで優しくこすり洗いをしてください。
力を入れすぎなくても、ふやけた油汚れがするりと落ちる感覚はとても気持ちがいいですよ。
最後にぬるま湯でしっかりと洗い流し、完全に乾かせば完了です。
重曹でつけ置きする手順

フィルターやファンなどの取り外せる部品にこびりついた頑固な油汚れには、つけ置き洗いが最も効果的です。
重曹を溶かしたお湯に部品を丸ごと浸すことで、複雑な形状のファンや細かい網目の奥まで洗浄成分が行き渡ります。
ゴシゴシと力を入れてこする必要が減るため、部品を傷つける心配も少なくなります。
具体的な手順としては、まずシンクやバケツなどに大きめのゴミ袋を二重にしてセットします。
こうするとシンク自体が汚れるのを防げますし、お湯の温度も下がりにくくなるのでおすすめです。
そこに部品が浸かるくらいの量のお湯を溜め、重曹を溶かしていきます。
分量の目安としては、お湯1リットルに対して大さじ2杯から3杯ほどの重曹を入れると良いでしょう。
重曹が完全に溶けたことを確認してから部品を静かに入れ、空気を抜くようにしてゴミ袋の口を縛ります。
この状態でしばらく放置することで、重曹のアルカリ成分が固まった油汚れをゆっくりと柔らかく乳化させていきます。
つけ置きが終わったら、浮き上がった汚れをスポンジやブラシで軽くこすり落とし、最後にきれいな水で十分にすすいでください。
汚れがひどい場合は、つけ置き中に何度か様子を見て、ブラシで軽くこすってあげるとより効果的です。
重曹とお湯を使う際の適温
重曹を使ってつけ置き洗いをする際、水の温度は洗浄力を左右する非常に大切な要素となります。
冷たい水では重曹が溶けにくく、また油汚れ自体も固まったままで落ちにくいため、効果が半減してしまいます。
逆に熱湯を使うと、アルカリ性が強くなりすぎて素材を傷めたり、やけどのリスクが高まったりします。
そこで推奨されるのが、40度から50度くらいの「ぬるま湯」です。
この温度帯は、家庭で給湯器から出る少し熱めのお湯と同じくらいと考えてください。
40度から50度のお湯を使うことで、重曹がスムーズに溶け、アルカリ性の活性が高まると同時に、固着した油汚れも熱で緩んで浮きやすくなります。
まさに一石二鳥の効果が期待できるのです。
もし汚れが非常に頑固な場合は、50度から60度くらいまで温度を上げてみるのも一つの方法ですが、あまり高温にしすぎないよう注意しましょう。
温度計がない場合は、手で触って「少し熱いけれどずっと触っていられる」程度を目安にすると分かりやすいです。
適切な温度管理をすることで、重曹のパワーを最大限に引き出し、効率よく掃除を進めることができます。
つけ置きする重曹の時間は1時間

つけ置き洗いは長く置けば置くほどきれいになると思われがちですが、実は適切な時間の目安があります。
基本的には、30分から1時間程度を目安にすると良いでしょう。
このくらいの時間があれば、多くの油汚れは十分に緩んで落としやすくなります。
あまりに長時間、例えば一晩中つけ置きをしたまま放置してしまうと、一度溶け出した汚れが再付着してしまったり、水が冷えて油が再び固まってしまったりすることがあります。
また、素材によっては変色や劣化の原因になることもあるので注意が必要です。
特にアルミ製の部品などはアルカリに弱いため、長時間の放置は避けるべきです。
汚れの程度がひどい場合は、1時間ほど経った時点で一度様子を見てみましょう。
汚れがまだ残っているようであれば、お湯を温かいものに入れ替えて、再度30分ほどつけ置きを追加するのがおすすめです。
一度に長時間放置するよりも、適度な時間で区切りながら状況を確認するほうが、結果的に失敗なくきれいに仕上げることができます。
タイマーなどを活用して、時間を忘れないようにするのも良いアイデアですね。
重曹ペーストがおすすめ
換気扇のフード部分や壁面など、取り外してつけ置き洗いができない場所には、重曹ペーストが活躍します。
重曹と水を混ぜてペースト状にすることで、垂直な面でも洗剤が垂れ落ちずに留まり、汚れにしっかりと密着してくれるからです。
重曹ペーストの作り方はとても簡単です。
小皿などに重曹を大さじ2杯ほど入れ、そこに水を大さじ1杯ずつ少しずつ加えながら混ぜていきます。
目指す硬さは、マヨネーズくらいの粘度です。
柔らかすぎると垂れてしまいますし、硬すぎると塗りにくいので、様子を見ながら調整してください。
ここに液体石鹸を少しだけ混ぜると、粘り気が出てさらに使いやすくなり、洗浄力もアップします。
完成したペーストを汚れている部分に塗りつけたら、その上からラップで覆ってパックします。
こうすることでペーストが乾燥せず、成分が汚れにじっくりと浸透します。
30分から1時間ほど放置した後、ラップを剥がしてペーストごと拭き取れば、頑固な油汚れもすっきりと落とせます。
拭き取る際は、キッチンペーパーや古い布などを使い、最後に水拭きをして仕上げましょう。
重曹と片栗粉を使う裏技とは

頑固な油汚れに対するもう一つの強力な助っ人が、なんと片栗粉です。
重曹に片栗粉を混ぜることで、ペーストの粘度がさらに高まり、汚れへの密着力が格段に向上します。
テレビやSNSなどでも紹介されることがあり、気になっている方もいるかもしれませんね。
具体的な作り方は、重曹大さじ2に対して片栗粉大さじ1、そして水を大さじ1から1.5程度混ぜ合わせます。
これを加熱する必要はなく、混ぜるだけでとろみのある強力なペーストが出来上がります。
片栗粉が混ざることで、垂れやすい垂直な換気扇フードや、凸凹した細かい隙間にもしっかりと張り付いてくれます。
使い方は通常の重曹ペーストと同じで、汚れに塗ってラップでパックし、しばらく放置します。
時間が経つと、重曹のアルカリパワーで浮いた油汚れを、片栗粉の粘着力が包み込んでくれるようなイメージです。
洗い流す際も、汚れが塊となってポロポロと取れることがあり、掃除の楽しさを感じられるかもしれません。
ただし、排水溝に大量に流すと詰まりの原因になる可能性があるので、拭き取った汚れはゴミとして捨てるようにしましょう。
換気扇の油汚れを重曹で落とす際の注意点

- 重曹を使うとアルミは変色する
- 油汚れが重曹で落ちない時の対処法
- 重曹とセスキどっちが良い?
- 仕上げは重曹とクエン酸で中和
- 換気扇の油汚れは重曹で定期的に掃除しよう
重曹を使うとアルミは変色する
重曹はとても便利なアイテムですが、使用する際に最も気をつけたいのが「アルミ製品への変色」です。
換気扇のフィルターやファンには、軽くて丈夫なアルミニウムが使われていることがよくあります。
しかし、アルミはアルカリ性の成分に弱く、化学反応を起こして黒ずんだり、白く変色したりする性質があるのです。
特に、高温のお湯で長時間つけ置きをすると、この反応が加速してしまい、一度変色すると元に戻すのは非常に困難です。
「きれいにするつもりだったのに、真っ黒になってしまった」という失敗談は少なくありません。
そのため、掃除を始める前には必ず取扱説明書を確認し、部品の材質がアルミかどうかをチェックすることが大切です。
もしアルミ製である場合や、材質がはっきりしない場合は、重曹の使用を控えて中性洗剤を使うのが無難です。
どうしても重曹を使いたいときは、ごく短時間(5分以内など)に留めるか、目立たない場所でテストをしてから行うようにしましょう。
リスクを理解した上で使い分けることが、道具を長くきれいに保つコツといえます。
油汚れが重曹で落ちない時の対処法

重曹で掃除をしてみたけれど、長年蓄積したギトギトの油汚れが完全には落ちなかった、ということもあるかもしれません。
重曹は比較的マイルドな洗剤であるため、カチカチに固まった焦げ付きのような汚れには力が及ばない場合があるのです。
そんなときは、まず「温度」と「時間」を見直してみましょう。
先ほどご紹介したように、お湯の温度を少し上げてみたり、つけ置き時間を少し長くしてみたりすることで、汚れが落ちやすくなることがあります。
また、ドライヤーの温風を当てて油を物理的に温め、緩んでから掃除をするのも効果的なテクニックです。
それでも落ちない場合は、重曹よりもアルカリ度の高い洗剤の使用を検討してみてください。
例えば、市販されている油汚れ専用の強力洗剤や、業務用のクリーナーなどです。
ただし、洗浄力が強い分、手肌への刺激や素材への影響も大きくなるため、手袋やゴーグルを着用し、換気を十分に行うなどの対策を忘れずに行いましょう。
無理に重曹だけで落とそうとせず、汚れのレベルに合わせて道具を変える柔軟さも必要です。
重曹とセスキどっちが良い?
ナチュラルクリーニングで重曹とよく比較されるのが「セスキ炭酸ソーダ」です。
「結局どっちを使えばいいの?」と迷う方も多いですが、それぞれの得意分野を知れば選びやすくなります。
| 特徴 | 重曹 | セスキ炭酸ソーダ |
| アルカリ度 | 弱い(pH約8.2) | 強い(pH約9.8) |
| 得意な汚れ | こびりつき汚れ、軽い油汚れ | ベタベタした油汚れ、皮脂汚れ |
| 研磨力 | あり(クレンザー効果) | なし(水に溶けやすい) |
| 使い方 | ペーストにして擦る、つけ置き | スプレーして拭き取る、つけ置き |
表のように、重曹は水に溶けにくい粒子を持っているため、研磨剤(クレンザー)としての役割も果たします。
そのため、こびりついて固まった汚れを「こすり落とす」のに向いています。
一方、セスキはアルカリ度が重曹よりも高く、水に非常に溶けやすいため、広範囲のベタベタした油汚れを「分解して落とす」のが得意です。
したがって、換気扇全体のベタつきをスッキリさせたいならセスキ、こびりついた汚れを物理的に落としたいなら重曹、というように使い分けるのがおすすめです。
もちろん、両方を常備しておいて、汚れの状態に合わせて使い分けるのも賢い方法ですね。
仕上げは重曹とクエン酸で中和

重曹で掃除をした後、乾くと白い粉が残ってしまうことがあります。
これは重曹の成分が白く浮き出てきたものですが、これを防ぎつつ、さらにきれいに仕上げるために「クエン酸」が役立ちます。
重曹はアルカリ性ですが、クエン酸は酸性です。
掃除の仕上げにクエン酸水(水200mlにクエン酸小さじ1杯程度)をスプレーして拭き取ると、残ったアルカリ成分が中和されます。
これにより、白い拭き残しを防げるだけでなく、水垢などのアルカリ性の汚れも一緒に落とすことができます。
さらに、雑菌の繁殖を抑える効果も期待できるため、清潔な状態を長持ちさせることにもつながります。
使い方は簡単で、重曹で掃除をして水拭きをした後、クエン酸水を吹きかけて再度乾拭きをするだけです。
ただし、塩素系の漂白剤と混ざると有毒なガスが発生する危険があるため、絶対に同時に使用しないでください。
安全に注意しながら、ワンランク上の仕上がりを目指してみましょう。
換気扇の油汚れは重曹で定期的に掃除しよう
換気扇の掃除は、汚れを溜めれば溜めるほど大変な作業になってしまいます。
油汚れは時間が経つと酸化して固まり、塗装を傷めたり、ファンの回転効率を落としたりする原因にもなります。
理想を言えば、月に1回程度の頻度で軽い掃除を行うのがベストです。
フィルターの表面をサッと拭いたり、重曹スプレーで気になった汚れを落としたりする程度なら、時間もかかりません。
こまめにお手入れをしていれば、年末の大掃除で苦労してゴシゴシ洗う必要もなくなります。
重曹は環境にも優しく、手肌への負担も比較的少ない洗剤です。
この記事で紹介した方法を取り入れて、ぜひ無理のない範囲で定期的なメンテナンスを習慣にしてみてください。
「汚れが落ちにくいな」と感じる前にササッとケアすることで、いつでも気持ちの良いキッチンを保つことができますよ。
換気扇の油汚れと重曹掃除のポイントまとめ
- 重曹は弱アルカリ性で酸性の油汚れを中和して落としやすくする
- フィルター掃除は重曹スプレーとラップでのパックが手軽で効果的
- 取り外せる部品は40度から50度のぬるま湯でつけ置き洗いをする
- つけ置き時間は30分から1時間が目安で長時間の放置は避ける
- 冷たい水では効果が薄いため温かいお湯を使って活性化させる
- 壁面やフードには重曹ペーストを作りラップでパックして落とす
- 片栗粉を混ぜるとペーストの粘度が増して垂直面でも垂れにくい
- アルミ製部品に重曹を使うと黒ずみや変色の原因になるため注意する
- アルミ製品には中性洗剤を使用するか短時間のテストを行う
- 重曹で落ちない頑固な汚れにはセスキ炭酸ソーダや専用洗剤を使う
- 重曹は研磨力がありこびりつき汚れに強くセスキは分解力が高い
- 掃除の仕上げにクエン酸水を使うと中和されて白い粉残りを防げる
- 頑固な汚れになる前に月1回程度の頻度で掃除するのが理想的
- 重曹とクエン酸を併用する際は塩素系漂白剤と混ぜないよう注意する
- 安全のため掃除中はゴム手袋を着用し換気を十分に行う
